野生の恐さ
夜釣りに行ってきた。片道2時間の道のりは遠いが友人2人とワクワクしながら現場へ到着。一投目で喰うもバラし、暫くしてジュイー150でまたデカイのが出た!しかし、またもバラす。完全50UPだったに違いない!くそ~。
2人の釣り。夜。山の中。大自然。背後の山で木の枝がバキッと折れる音が少し遠くで聞こえた。何かがいる。恐い。2人は何もなかったかのように釣りをする。
今度は背後の山から石が転がってくる音がした。幾分近くで聞こえた。恐い。それでも何もなかったかのように釣りをする。
僕は最初にバラした場所でもう一投投げたいと、友人に告げ少し離れたところでルアーを投げた。少し離れただけで心細くて更に恐い。巻き終わる。背後の山から今度は鈍く太い足音のようなものが3度、すたっ、すたっ、すたっとすぐ後ろで聞こえた。足早に友人の元へ。
「ちょっと獣がおるわ」落ち着いた口調で言ったが、心臓はキューッとなって潰れそうだ。
友人と2人早歩きでその場を猿。猿がいるのは知っている。猿が恐しいことも聞いている。しかし、猿の足音ではない。もっと体重のある重たい音だった。熊か。熊ならもっと恐い。熊がいるのはわかっている。熊の恐ろしさは昔からニュースで知っている。
とにかく、2人は早歩きで車まで戻って、急いで慌てず鍵をあけ竿をしまって車に入って、30分足らずの釣りを終えた。帰りの2時間、2人で興奮しながらあの恐かった出来事を振り返った。現場に着いた時からなんか嫌な予感がお互いにあった。お互い背後で聞こえる物音にビビっていたが表にしなかった。獣が来たらどうするかを考えた。
端的に書いたが本当に恐かった。今となれば2人だけの笑い話ですんでいるが、もし目の前に獣が現れたらちょっとじゃすまない。根性なしの2人でよかった。
友人宅に着くと友人の愛犬がリードから外れ道のど真ん中にいた。開放感に満ちた柴犬の顔は可愛い。どういうわけかリードを外してよく抜け出すらしい。しかし、時間が経つとすぐに戻ってくるらしい。
野生の恐ろしさを知った。良い夜になった。