作品に使ったハムスター
ハムスターが死んだようだ。呼んでもゲージを揺らしても動かない。いつもなら呼吸しているようすがハムの背中を見ればわかるのだがフリーズしているようだ。親父が昼飯に行こうと言うので正式な確認は飯を喰ってからだと冷徹な心でついて行ったら王将だった。社長は去年殺されたな。まだ犯人捕まってないな。
店内のBGMは今忌野清志郎のジャンプが流れて、なんともまぁ死を意識させられる日なんだと思った。しかも久しぶりの雨だし。これがもし勘違いでハムが生きていたらと思うと…なんだかこの偶然の演出もバカな話だ。
最近、STAP細胞のずさんな実験が話題になっている。実験用のマウスはハムスターとそう変わらない。研究者にとってマウスは実験台に過ぎない。僕のハムスターも作品に使う素材に過ぎない。そんなスタンスで始めは思った。だけど、徐々にハムに対して愛情というか希薄だが多少なり生まれて、今死というのに向き合って心が抉られている。心臓の鼓動が早いのがわかる。
飯を喰い終わり帰宅して確認するとやはり死んでいた。人生初のペットでそんなに可愛がったつもりもないのだけど哀しくて泣いた。思い出になった。