投げ込まれたDVDの箱
鞆の浦に行った。船で仙酔島に渡り。島を歩いた。しばらく進むと五色岩というのがあって、ブームの去ったパワースポットとうたっている。岩の周りを歩いていくと何色かに別れていて、断層になっているのがわかる。パワースポットの理由は岩の近くに寄るとわかるが、太陽光を岩が浴び熱を含み、その熱が感じられるからであろう。夕暮れに訪れたので顕著にわかる。少し科学的なパワーだが、パワーと感じていいだろう。
そんなパワースポットに一部窪みがあって、窪みの下に小さな池ができてるのを見た。夕暮れ時もあってか鍾乳洞の中みたいな感じでちょっぴり幻想的だ。それだけ見れば幻想郷で済むのだが、池の側にDVDの箱だけが投げ込まれていた。人為的としか思えない。
よく、鍾乳洞なんかでも賽銭が投げ込まれているのはよくあるが、そこに投げ込まれているのはDVDの箱だ。中身はなく、ジャケットの紙もない、真っ白な箱のみが幻想郷をぶち壊している。
最近の作品作りのテーマがエロエロスである。詳しい内容は他のコラムに書いたので是非読んで下さい。なので、こういう風景をみると「僕はこれをやってるんだな」と思う。鍾乳洞のような幻想郷が高尚でDVDの箱が低俗である。これを別けないで一つの風景として見る。しかも低俗なものがDVDの箱だから尚更良い。僕にはAVの残りカスにしか見えない。「あぁ、頭が馬鹿になっている」だけど、この馬鹿さが世間には必要なのかもしれない。僕は馬鹿じゃない。そんなことばかり考えているからそう考えるのは当たり前だし、そういう頭になってから喜びが増えた。