岡山県立美術館のシャガール展に行ってみた
シャガール展はかなり盛況のようでたくさんの人で賑わっていた。
僕は昔からシャガールの絵はみていて、幼い頃に母か祖母に連れられてどこかで見た記憶がある。特に大きな感銘は受けたわけではないが、メルヘンな感じと昔見たというノスタルジックな気持ちが羊と青色にある。今回改めて見る前にそんな事を思いつつ心の準備みたいなものをした。
実際作品を見ると当時の印象と大差なかったが、少し暗い印象を感じた。大学生になって読んだ鈴木翁二の漫画の哀しさ・美しさの暗さと同じ匂いがあるように思えた。シャガールの青さは、当時思っていたその青よりももっと落ち込んだ青がありとても暗かった。だから、ハッピー感がなかった。故に鈴木翁二だった。
僕の中でシャガールの作品はオバちゃま・マダムたちから人気のある作家だと思っていて、母、祖母はシャガールは好きだと思う。イコール母と祖母はオバちゃま・マダムだ。今回もそんな感じのグループが目立った。当然若い人もいたが、ターゲット層は昔から変わってないのかもしれない。こんな絵がオバちゃま・マダムには受けるんだろうな。確かに広告会社なや勤めていた時、こんな感じの広告を気に入ってくれそうなクライアントがいたように思えるが、シャガールっぽい広告は作れなかったな。シャガールを自分の引き出しからは出せなかったな。
ここ最近、本当に最近、自分の中で現代美術ばかり興味をもって鑑賞していたが、それだけではなくなった。自分の趣味嗜好で作品を見ることだけを重視せず、美術の歴史とか、シャガールならシャガールがなんで評価され愛されているのかを読み解く力をつけたいと思っている。客観的でもなく主観的でもないようにと考えている。だから今回のシャガールも1ヶ月前の自分なら絶対見に行ってないと思う。足を運んだだけでも少しは立派になったと褒めたい。
結局まだ、作品を自分の趣味嗜好ででしか言えていないのでまだまだ未熟だけど、何よりたくさんの作家のたくさんの作品を見て新たな発見とその素晴らしさに気づけるように努力したいと思うし、その感覚があるともっと作品や日常を見るということがとても楽しくなることに間違いない。今は、自分のテンションがかなり落ちてしまい、吐き気と動悸が半端なくとても不安定だが、いつものことだし、時間が解決すると楽観視している。まあそう思ってもこの吐き気と動悸は一向に収まる気配がない。自分がダメなのを心がよく知っている。だからこうなる。あー弱い弱い。