山口旅行1
心配症だから不安だ。
岩国からワンマンの錦川清流線で根笠へ行く。目的は岩屋観音窟を見るため。メインは山口情報芸術センターへ行くことだったが、こっちがメインぽい旅になりそう。なんせ、田舎の鉄道であるから1時間に一本のダイヤ。そこからバスで岩屋まで行くとなるとまた本数が限られてくる。泊まるホテルは湯田温泉だから、無事に辿りつくことができるかどうか不安だ。
でも、行きたいので行く!今、車内の客は僕と50代の夫婦だけだ。
しかも、乗って気づいたが僕が使っている青春18切符が使えない。別途往復1720円かかる。まぁしゃあない。若い時に金を使おう。景色も田舎の風景であぁ田舎はいいなぁなんて一瞬思ったがらこんな風景は地元でも車を少しばかり走らせればいくらでもある。全くもって同じである。厳密には全く違うが同じと言っておく。
根笠に着いてバスに乗る予定だったが、レンタサイクルを発見した。近くの老人にに聞いたら、自転車でも行ける
とのこと。バスの時間もだいぶ先だったのでレンタサイクルを利用した。管理している中川商店を訪ね、店主のおばさんと少し話をしていたら目の前をバスが通った。2人して顔を見合わせ、あちゃーっと言った。でも、いつ帰れるかわからないバスよりも自転車の方が時間を気にせず気楽でよい!
自転車に空気を入れて出発!自然の中を自転車で走るのはとても気持ちがいい。渓流をみながら、時々釣りしてるおっさんを横目にしながら、気持ちええ!めっちゃええ!と叫びながら汗だくになって山道を駆け抜けた。
地底王国を過ぎ、帰りに時間があれば寄ろうかと思った。岩屋観音窟まであと2キロの標札を見てもう一踏ん張りとペダルを漕ぐ。あと2キロの最後の200mがきつかった。急な登り坂で自転車を押す。左右には小さな観音様が10m間隔もないくらいに点在している。とても可愛い。時々、その観音様を見ながら休憩し、やっと着いた。日本一の水車があった。流しそうめんをやっている。昼前だ。腹ごしらえだ。1人くるくる回る流しそうめんを喰った。680円もした。早く観音窟がみたい!水車を通り過ぎ、観音様の手間の境内で挨拶し、いよいよ左手にある観音窟への階段を登る。うお!かっこいい!観音窟の前にかっこいい力士像が2人。ボロボロで片方のは右手がとれている。ガムテープで留めた跡があるが取れている。よく見ると足元に落ちている。美しい。古代の石像のようだ。しかし、実際はごく最近に作られた物のように感じる。なのに酷い劣化だ。二体ともガラスケースに入れられているのでこれ以上の損傷は軽減されると思うが、今のこの感じがいい。美しい!
そしていよいよ洞窟の中へ。
うわー凄い!ほの暗い洞窟内に薄っすらぼんやり観音様がおられる!なんとも言えない空気が静かに少し重たく漂う。線香を上げましたい。賽銭箱に100円カランッ。線香が設置しているので火をつけて上げました。手を合わせた。何を拝む、願う、祈るかももう口にするまでも心の中で言うまでもない。全てを察しておられる!観音様は私の全てを見透かしておる。どれだけいただろうか。老夫婦が拝みにきても僕は端っこにいてずっと見ていた。これこそなんも言えねーだ。お喋りできない。最初はテンションマックスで、やべー!すげー!ホンマスゲー!ホンマヤベー!のオンパレードで自分で「お喋りし過ぎ!」と一喝したら、本当に黙り混んでしまった。しばらく無言でボケーと見ていると洞窟の暗さに段々目が慣れてきてそれがまた余計に神々しく感ずる。最高だ。こういうインスタレーションというか場の雰囲気というのは大切だと思った。飲み屋とかなんでも雰囲気料というのがある。ここは金はいらない。金など問題ではない。関係ない。金の馬鹿!心が洗われる感覚はないが、何も狙わない、期待しない、欲などない。ただじっと見ていた。帰るのが淋しい。ここにいれば僕も石化してしまう。むっちゃかっこええこと言うてもうた。酒を呑みながら打っている。長い話だ。先に行く。
帰りし地底王国によった。金は払えないし、時間がないからグッズ売場に行った。ここでもええもん見つけた!僕の好きなメイド、ナース、女子高生のエロいティッシュケースを発見。買おうとした。3800円也。買うぞ!だが木彫りで持って帰れない。郵送だ。送料1500円也。無理だ!やめた。ネットで買う。自転車でのん気に帰った。気分がいい。最高の旅だ。暇があるって素晴らしい!自転車を返す。駅の時刻表を見たらあと3分後に来る。それを逃せば2時間後だ。急いで自転車返却。おばさんと話がしたかったが、「じゃあね」の一言で商店さらば。ギリギリセーフで電車に乗れた。観音様に感謝。いや、僕は信じないぞ。観音様!宗教ってなんなんですか?!岩国着。湯田温泉へGO。着いた。